「老後破産」という言葉を知っていますか?
今日のテーマは「老後破産と、その原因」です。破産は誰もがしたくないもの。しかし、今の日本には200万人以上、その予備軍がいると考えられています。
その一番大きな原因は何でしょうか?
老後破産とは
老後破産とは、文字通り「老後に自己破産すること」です。正式な言葉ではありません。
2014年9月に放送されたNHKスペシャルで「老人漂流社会【老後破産】の現実」というテーマが取り上げられました。番組内では老後破産を「生活保護基準以下の収入しかないにもかかわらず、保護を受けていない破産状態にある高齢者の現状」と定義しています。
自己破産は法律用語ですが、老後破産は違います。
自己破産とは、借金が返済できなくなったときに、裁判所に申し立て、「借金を払わなくていい」という免責をもらうという手続きです。
自己破産は「借金を返済することができない」と証明されないとできませんから、マイホームや自家用車を持ったままではできません。自己破産する人の多くがマイホームのローンが返済することができずに破産しています。
老後破産は、この借金が返せない自体が老後にやってくる状態です。老後とは65歳以上としましょう。老後破産の可能性が高い人は16人に1人といわれています。これは200万人以上です。
老後破産の原因
破産は借金が返済できなくなることですから、原因は「返済できない額の借り入れ」です。
老後破産しないためには、借り入れの段階から考えておく必要があります。
老後破産が増える原因には、収入が減少した時にリカバリーする力がないということがあります。若い人であれば、複数の仕事を掛け持ちしたり、収入の多い仕事に転職することも可能ですが、高齢者はそうはいきません。
そもそも、自分で働いてお金を稼ぐことすら難しくなっている人が多いでしょう。ですから、高齢になってかかえる借金や、返済計画の変更は即命取りになるのです。
相談できない高齢者
借金が返済できなくなった時に、まずしてほしいのが「専門機関や借り入れ先に相談すること」です。ところが高齢者の場合、これを行わないケースが非常に多いのです。
これは、「借金が返せないなんて恥ずかしくて言えない」という気持ちが先立つからでしょう。しかし、こう考えている間に、どんどん利息はたまっていくのです。
一番の負担は住宅ローン
あなたは今住宅ローンをかかえていますか?その住宅ローンは何歳で返済が終わる計画でしょうか?
もしも、定年後も残る計画なら危険です。あなたも立派な老後破産予備軍です。
- いまの会社で定年まで働けるという保障はありますか?
- 給料やボーナスが変わらない保障は?
- 退職金をあてにしすぎていませんか?
- 病気になって働けなくなるリスクは考えていますか?
- その場合の保険には加入していますか?
だれもが、住宅ローンを組むときには、希望にあふれています。憧れのマイホームですからね。日本はマイホームを持つことに、とてもステータスを感じる人が多いでしょう。住宅ローンを契約して数年は問題ないかもしれません。
しかし、人生は何がおこるかわかりません。とくに高齢になると、健康状態が急に悪化する人が少なくありません。その時、あなたは住宅ローンを支払っていけますか?
住宅ローンは35年など長期にわたって払い続ける借金です。この間に収入の変化がないと考えるのは楽観的すぎるのです。
いま現在、高収入の方でもその収入が維持できるかは誰にもわかりません。とくに繰り上げ返済やボーナス返済をあてに、住宅ローンの返済計画をすることは、大きな危険性をはらんでいます。
まとめ
老後破産は、老後に充分な収入がなくなり、生活が破綻すること。その一番大きい負担は計画の甘い住宅ローン負担です。