NHK「あさイチ」で「ちょこちょこ借金」について特集がありました。
借金650万円！お金がないと破産もできない
主婦めぐみさん（仮名）はちょこちょこ借金がふくらんで、いつのまにか650万円もの借金に膨れ上がっていました。
破産しようと思っても、お金がないと破産もできません。
破産手続きにもお金がかかるからです。
ボーナスなどを利用して破産手続きをすることになります。
それに、夫に内緒のまま破産手続きをすることも不可能です。
夫にも親にも相談できない…どうしてこんなことになってしまったのでしょうか？
銀行カードローンで「ちょこちょこ借金」を重ねた主婦めぐみさん
この事例のめぐみさんも最初は借金に抵抗がありました。
なのにどうして借金を重ね、返済できなくなってしまったのでしょうか？
３年前、めぐみさんの家は住宅ローンと育ち盛りの２人の子供をかかえ、生活費に余裕がない時期が続きました。
そんなとき、たまたま夫の会社のつきあいが重なり、出費が増えていったのです。
そこで夫の勧めもあり、銀行のカードローンでお金を借りることにしました。
「はじめはすごくためらいがあった」と言うめぐみさん。
しかし、お金はあっけなく借りることができました。
いつも使っている銀行のATMで誰にも気づかれることなく、お金を借りることができたのです。
審査を済ませれば、それ以降はATMの機械だけでお金が引き出せたのです。
まさに、普通にATMでお金を引き出しているのと同じ状態ですね。
ついつい使ってしまうこともあったそうです。
本当に借りやすい。。これがカードローンの気をつけないといけないポイントです。
簡単に借りられて、安易に使ってしまうので、どんどん借金が増えてしまうのです。
こうした銀行カードローンの貸付残高は増えていて、今は消費者金融を逆転しています。
銀行カードローンと消費者金融の違い
消費者金融は貸金業法という法律があり、借りられる金額は年収の３分の１に制限されています。
さらに、審査のときに、年収や現在借りている借金を証明する書類を提出しなければなりません。
いっぽう、銀行カードローンはというと、銀行法という法律で年収の制限は定められていません。
審査をどうするかは、各銀行の自主規制にゆだねられています。
「ちょこちょこ借金」が返済できなくなる理由
借りたお金は期限内に返しためぐみさん。
借金に抵抗があったはずなのに、返済すると カードローンに対する警戒心が消えていました。
これが返済できなくなる理由の１つです。
最初は１万円～２万円借りためぐみさん。
だんだん麻痺していって、借りる金額が３万円～４万円になり、７～８万、10万になり…とどんどん金額が上がっていったのです。
それからめぐみさんはちょこちょこ銀行カードローンを使うようになりました。
コンビニでちょっと足りないな…というときにすぐに借りれる、スーパーで足りなくなってもすぐに借りれる状況です。
思いついたときにすぐ借りれるというのが、金銭感覚のマヒにつながっていきました。
そうです。お金がぽんぽん出てくるようなイメージをもってしまうのが、ちょこちょこ借金にハマってしまう典型的な例です。
日本弁護士連絡会の小野弁護士によると、「ちょこちょこ借金を繰り返すと、だんだん感覚がマヒして、カードローンの限度額の金額が自分のお金と錯覚してしまう」そうです。
10万円借りられるのは、10万円預金があるのと同じ感覚…そんなことないですよね！
でも誰もがそうなりうるのです。。。
新たな銀行カードローンで借金が増える
主婦めぐみさんも、借金の返済を月々の収入ではまかなえなくなっていました。
そこで、別の銀行カードローンで新たな借金をしてしまいます。
借金の返済のために、別のカードローンを利用したのです。
これはとても怖いことです。
借りる金額にもよりますが、額が大きくなると、返済のときに元金＋数万円の高額な利息を返すことになります。
返済期間も数年にわたることになります。
ほんとうに怖いものです。
そこまで困っていためぐみさんですが、誰にも相談しなかったといいます。
これも借金が返済できなくなる理由です。
まじめな人ほど相談できない
めぐみさんのように真面目な性格の人ほど、「自己解決しなければならない」という思いが強く、状況が悪くなるケースが多いのです。
めぐみさんは夫に相談しようかと考えましたが、夫は仕事が忙しく相談することができませんでした。
もちろん子供のころから厳しくしつけられてきためぐみさんは、親にも借金をしていることは言えません。
その間にどんどん借金は膨らんでいきました。
なぜなら、金利は14％もあったからです。
利息は借りている期間でつくので、期間が長くなればなるほど増えるのです。
自分の口座にお金があるかのように思ってしまったのが間違いでした。。。
ちょこちょこ借金が膨らむ理由
- ATMで借りれることで警戒心が薄れてしまう
- 繰り返しお金を借りることで金銭感覚が麻痺してしまう
- 相談できないまま時間がたってしまう
ちょこちょこ借金を深刻にしないために
繰り返して借りているときに、自分は返済できているという安心感を抱かないようにしましょう。
また、限度額は自分の使えるお金ではありません。
ここは絶対に錯覚しないようにしましょう。
銀行カードローンとは？メリットは？
銀行カードローンはあらかじめ決められた枠の中で、いつでも自由な資金使途で使えるローンです。
ATMで引き下ろしもできる利便性の高いローンです。
正しく賢く使うことで、現在の生活をより豊かにしたり、将来の自分に対して先行的に投資したりできるのがプラスのメリットです。
最近増えた銀行カードローンのCM 銀行が個人にお金を貸す理由
ここ数年で銀行カードローンは飛躍的に増えました。
これには２つの背景があります。
- 銀行の経営が苦しい
- 個人向けカードローンは収益性が高い
歴史的な低金利が続いていて、一般的な住宅ローンなどでは利益があげにくくなっています。
銀行は店舗などの人員をどう配置するかも課題としています。
銀行カードローンは担保不要のカードローンなので、比較的金利を高く設定することができます。
金利が高いということは銀行にとって、儲かりやすいということですね。
このような理由で、銀行カードローンが広まっています。
担保がないというのは使う側にとっては借りやすいですが、簡単に借りたり、借りすぎには注意しないといけません。
あさイチ視聴者からの質問と専門家の回答
Q：審査はきちんとしているの？ 40代･男性
A：はい、審査は行われています。※審査の基準は銀行によります。かつては保証会社に任せっきりの現状もあったようですが、金融庁のほうでは銀行が自ら審査に積極的に関与していくように通知しています。
Q：利便性ばかりを追求したネット広告やCMが多いのでは？ 30代･女性
A：銀行のほうも１年ほどで自主規制を勧めています。過度に利便性を追求する表現を使わない、子供が見る時間帯にはCMをしないなどの規制です。
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