連帯保証人が原因で、借金地獄に陥った話はよく聞きます。
しかもさらに恐ろしいのが、借金まみれでお金が全然なくなっても、人は中々生活習慣を変えることはできません。
贅沢な暮らしに慣れていると、急に質素な暮らしには戻れないんですね。
夫が亡くなったあと、浪費癖に拍車がかかる
40歳、女性、福岡県在住です。
わたしの友人Nさんの話しになります。
Nさんの両親は手広く商売をしていて、Nさんはこどもの頃からお嬢さまとして何不自由なく育ちました。
大学までエスカレーター式で進学できる有名私立幼稚園に入り、大学に進学し卒業後は親のすすめるお見合い相手と結婚しました。
可愛い娘さんにも恵まれ、誰もがうらやむNさんの人生でしたが、やがてその人生にも暗雲が垂れ込めます。
まず不幸の始まりは、Nさんのご主人の突然の死でした。
末期の癌が見つかり、わずか3カ月の闘病の末、亡くなってしまったのです。
そのときのNさんの憔悴ぶりは、傍で見ていても痛々しく、ご主人の後を追いかねない様子でした。
それでも、数年後にはNさんは何とか立ち直り、元気を取り戻していました。
唯一気になっていたのが、Nさんの浪費癖です。
高価な宝石やブランドものの洋服を大量に買い込んではストレスを発散させているようでした。
特にご主人が亡くなってからは、娘さんと一緒に豪快にお金を使うようになりました。
それでもNさんの実家には莫大な資産があり、Nさんの浪費ぐらいではびくともしないはずでした。
連帯保証人になっていたため、1億の借金を背負うことに
しかし、Nさんの両親がある人の保証人になったところから事態は一変します。
Nさんの両親は騙され、保証人になった相手には莫大な借金を残したまま夜逃げをされ、その借金を肩代わりしなくてはならなくなったのです。
その事件をきっかけに会社の経営も傾き始め、数年後には1億円の借金を残して倒産してしまいました。
しかもNさんまで連帯保証人になっていたため、1億の借金を返さなくてはなりません。
それまで一度も働いたことのなかったNさんは、栄養士の資格を取り、調理の仕事を始めますが、人間関係がうまく行かずすぐに辞めてしまいました。
次は、工場で働き始めましたが、こちらは体力が続かずに結局体を壊して辞めざるを得ませんでした。
Nさんはいまも借金に苦しんでいますが、贅沢な生活が身に沁み込んでいるためか、時々散財をしては後悔をするという暮らしぶりです。
ふくよかだった体もやせ細ってしまいました。これからNさんはどうするのだろうと、友人としてとても気掛かりです。