お金がないときに、市役所がお金を貸してくれる制度があると知っていますか?
その制度は「生活福祉資金制度」と言います。
市役所でお金を借りれる「生活福祉資金制度」とは
はじめに、「生活福祉資金貸付制度」とは、どんな制度なのでしょう?
全国福祉協議会のホームページによると、
「生活福祉資金貸付制度」は、
低所得者や高齢者、障害者の生活を経済的に支えるとともに、
その在宅福祉及び社会参加の促進を図ることを目的とした貸付制度です。
引用:https://www.shakyo.or.jp/guide/shikin/seikatsu/index.html
在宅福祉とは、老人ホームなどの施設に入所せず、対象者が自宅で生活しながら受ける社会福祉サービスのことです。
そのため、お金の貸付だけではなく、地域の民生委員による相談支援も行っています。
社会福祉協議会が実施しており、各都道府県の市町村社会福祉協議会が問い合わせの窓口となっています。
資金の使い道によって、以下の4種類があります。
- 総合支援資金
- 福祉資金
- 教育支援資金
- 不動産担保型生活資金
気になることがあれば、ぜひお住まいの地域の社会福祉協議会へ聞きに行ってくださいね。
「生活福祉資金制度」を借りれる対象者
まず気になるのが、どのような人が「生活福祉資金」でお金を借りることができるのか、ですね。
すでに書いたように、「生活福祉資金制度」の対象は、
- 低所得者
- 高齢者
- 障害者
となっています。
以下に、それぞれの詳細な説明を載せます。
低所得世帯
まず、市町村民税非課税程度の収入であるかどうか。
ただこれは都道府県によって基準が異なっています。
例えば一人世帯の年収を、北海道であれば年収360万円以下、東京都であれば月額19万1千円以下とされています。
ぜひお住まいの地域の市町村民税非課税の基準を調べてみてくださいね。
また、
- 金融業者からなどの融資が難しく、借り入れ困難であること。
- 貸付制度を受けたことで独立自活ができるだろうと判断された世帯であること。
も審査基準に含まれています。
高齢者世帯
まず、年齢が65歳以上の高齢者世帯であること。
さらに日常生活において、療養や介護を要することが、審査基準に入っています。
障害者世帯
身体障害者手帳または精神障害者保険福祉手帳を持ち、療育手帳の交付を受けている方がいる世帯であること。
ただ、条件に該当すれば、誰でもお金を借りれるというわけではありません。
他のローンと同じく、審査に通過する必要があります。
失業状態であればハローワークなどを利用して仕事を探すように言われますし、金融業者から多額の借金がある場合は債務整理をしてからとアドバイスされます。
この制度を使わないと、本当に生活に困窮しまうという人だけが、対象になるわけですね。
生活保護や失業保険を受けている場合、生活福祉資金制度でお金を借りれる?
ここで気になるのが、生活保護や失業保険受給者でも、借りれるかどうかということですね。
どちらの場合も決して生活が楽なわけではありませんが、すでに国からの他の援助を受けている状況で、さらに貸してもらえるのでしょうか?
まず生活保護の場合は、生活福祉資金制度と併用可能です。
しかし、失業保険と生活福祉資金制度の併用は、基本的に不可能です。
失業保険の受給資格があるのであれば、失業保険を受給することをアドバイスされます。
ただ、ハローワークで求職活動をしているけれど失業保険が受けられない場合は、貸付が可能です。
「生活福祉資金制度」は無職の人でも借りれる可能性がある
「生活福祉資金制度」は国からお金を借りるわけですから、民間の金融業者の違いはもちろんあります。
その中でも大きな違いが、無職の人でも借りることができるということ。
銀行や消費者金融の場合は、安定した収入があることが貸付の条件になりますので、殆どの場合、無職の借り入れはできません。
無職でも借り入れが可能できるのは、ご主人に安定した収入がある専業主婦といった場合です。
しかし、「生活福祉資金制度」は、失業保険を受けることができなかった場合、無職でもお金を借りることができます。
ただどんな無職の人にも貸してくれるわけではありません。
仕事をしていない人に無闇にお金を貸すなんて、やはりできないですからね。
無職であっても、積極的に仕事を探している人に限定されます。
相談に訪れた際にはハローワークなどを利用して求職活動をするのが、援助を受ける条件になります。
「生活福祉資金制度」で借りれるお金はいくら? 金利と上限金額
さて、ここで気になるのが、「生活福祉資金制度」で借りれるお金と金利の額ですね。
いったい、いくらで借りれて、いくらで返せばいいのでしょう?
まず借りれる上限金額は、種類によって違いがあります。
すでに紹介したように、この制度は資金の使い道によって、次の4種類があります。
- 総合支援資金
- 福祉資金
- 教育支援資金
- 不動産担保型生活資金
では以下にそれぞれの上限を説明していきますね。
総合支援資金
3種類に分かれます。
- 生活支援費
- 住居入居費
- 一時生活再建費
生活支援費は、二人以上の場合は月20万円まで、単身の場合は月15万円までとなっています。貸付期間は原則3ヶ月で、最長だと12ヶ月となっています。
住居入居費は一括で40万円まで、一時生活再建費は一括で60万円までとなっています。
福祉資金
2種類に分かれます。
- 福祉費
- 緊急小口資金
福祉費は一括で580万円まで、緊急小口資金は一括で10万円までとなっています。
教育支援資金
2種類に分かれます。
- 教育支援費
- 就学支援費
教育支援費は高校で月3.5万円、高専で月6万円、 短大で月6万円、大学で月6.5万円までとなっています。
就学支援費は一括で50万円までとなっています。
不動産担保型生活資金
2種類に分かれます。
- 不動産担保型生活資金
- 要保護世帯向け不動産担保型生活資金
不動産担保型生活資金は、土地の評価額70%前後と月に30万円までとなっています。
要保護世帯向け不動産担保型生活資金は、生活扶助額の1.5倍以内と土地の評価額70%前後となっています。
金利がつくかどうかは、連帯保証人がいるかどうかで決まります。
- 連帯保証人が無い場合は年1.5%
- 連帯保証人がいる場合は無利子
となっています。
とても低く設定されているだけでなく、保証人がいれば無利子でお金を借りることができるんですね。
申請に必要な書類
ところで、生活福祉資金制度に申し込むにはどんな書類が必要になるのでしょうか?
借り入れを申請する際に必要なのは、申込書以外に
- 住民票
- 収入を証明できる書類
- その他、それぞれの資金種類によって必要な書類
となります。
社会福祉協議会の窓口やホームページで確認できるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
「生活福祉資金制度」の相談窓口
「生活福祉資金制度」は申し込みは相談窓口に行くことから始まりますが、いったいどこに行けばいいのでしょう?
生活福祉資金制度の相談窓口は、それぞれがお住まいになっている地域の社会福祉協議会です。
上で説明したように、この制度は社会福祉協議会が実施しているので、各都道府県の市町村社会福祉協議会が問い合わせの窓口となっています。
ほとんどがホームページを持っていますので、ぜひ確認してみてください。
また地域の民生委員も窓口になっているので、直接協議会に相談するのは敷居が高いと感じる方は、この方がいいかもしれません。
相談内容は難しいことに限らず、どんな些細なことでも大丈夫だそうです。
市役所からお金を借りることができるのは、金融業者にお金を借りるのと随分印象が違うため、相談しやすいという方がとても多いみたいですよ。
生活に困っているときに1人で悩まず、まずは窓口に相談することから初めてみましょう。
「生活福祉資金制度」でお金を借りるときの注意点
最後に、生活福祉資金制度を利用する際の、注意点を紹介します。
「こんなはずじゃなかった」「手続きに手間取って困った」などの状況にならないためにも、
まずこの制度は、給付ではなく貸付です。
つまり、借りたからには必ず返す義務があるわけで、きちんと返済計画は立てておくべきですね。
また、自分が本当に貸付対象になるか調べておいたほうがいいですね。
この制度は4つの資金種類で対象が変わりますし、せっかく色々準備した後で、条件に該当しないのが分かると無駄になってしまいますよね。
お金を借りるまでの手続きが色々ありますので、一連の流れをあらかじめ窓口やホームページで把握しておくと、その日になって準備不足で手間取らないですよ。